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会計

総数3件 1

銀行融資を受けるにあたり、
@社長様宛の「仮払金」が大きすぎる
A社長様本人への「貸付金」が大きすぎる
B現金残高が異常に大きい数値になっている
といった理由で融資交渉がうまくいかないことがあります。
今日の話は、完全に理解しようと思うと、簿記の知識が必要となるので、結論だけを覚えておいていただければ、プロセスを理解する必要は当面ありません。
「現金」「仮払金」「貸付金」というのは、いずれも税務署等に提出している「決算書」に当社の財産として掲記されている項目です。
いずれも財産項目ではあるのですが、
「財産が大きくてどうして融資に差し支えるのか?」
という素朴な疑問が生じますよね。
私も時々、顧問先さん以外の決算書を見るときがありますが、たまに「現金」、「仮払金」、「貸付金」が肥大化してしまっている決算書を見かけます。
実際、それだけの現金があるのかというと無いですし、社長さんがそれほど自分の会社から貸付や仮払いを受けたかというと、そういうつもりもないことが一般的です。なのに、決算書には大きな現金、仮払金、貸付金などがある。
「どうしてこんなことになるのだろう・・・?」
と不思議に思った金融機関の方から一体何が起こっているのかと相談を受けます。金融機関はお金を貸す側ですので、財産として計上されている物が本当に存在しているか、財産価値があるかという点には非常に関心があります。
「現金」「仮払金」「貸付金」はどれも財産項目なので、本当に財産価値があるものなのか気になるわけですが・・・
実際に金融機関の担当者から社長様に
「本当に現金、こんなにあるんですか?」とか
「本当に社長、会社からこんなにお金を借りてるんですか?」
と聞いても、社長様にはそのような身に覚えは全くなく、この質問に答えることができず、戸惑ってしまいます。
明確な回答が得られなかった銀行の担当者は、
「この財産項目は、内容はよく分からないが、とにかく帳面上計上されているだけで、内実を伴わない財産だ。」
と結論づけるしかなく、これがもとで融資に差し支えるわけです。

それでは、どうして、このように「現金」「仮払金」「貸付金」が肥大化してくるのか・・・?
それは、
「現金の管理が適切に行えていないから」
です。
どういうことなのか・・・?ただ、冒頭申し上げたように、今日のテーマを完全理解するには、皆さんに簿記を勉強していただく必要があるところ、それはなかなか難しいので、今日は結論だけを知ってて下さいと申し上げました。
ですので、どうして現金管理が不十分だと、仮払金とか貸付金が増えるのかというメカニズムが理解できなくても大丈夫です。安心して下さい。
多くの人が、どうして携帯電話がつながるのかを理解せず、どうして車がアクセルを踏むと進むのかを理解していない状態で、携帯電話を使い、車に乗りますよね。それと同じです。知識や技術の内容を理解することと、その知識や技術を活用することは別次元の問題です。
現金管理ができないとどうして現金、仮払金、貸付金が大きくなるのかを少しだけ説明すると、
例えば、
会社の銀行預金口座から20万円を下ろしてきたとします。このときの引出は通帳に記録として残ります。この20万円のうちから@会社の経費を支払い
A社長様が夜ご飯を食べ
B残りを自分の財布に入れたとしましょう。
後日社長様は、@会社の経費に充てたときのレシートを会計事務所に提出しますが、A自分が夜ご飯を食べた際のレシートは会社の経費にならないと思い、会計事務所に提出しなかったとし、Bに関しては、そもそもレシートも何もないですね。
この一連の流れを会計事務所から見ると
「20万円を会社の預金から引き出したこと」
「@会社の経費に一部を充てたこと」
以外は分かりません。
A、Bは会計事務所からは把握のしようがなく、20万円の一部はどこかにいってしまったということになります。そこで、この一部はおそらく社長様の財布か何かに入ったのだろうと想像し、20万円のうち、経費に充てられなかった残りは、「仮払金」や「貸付金
」という科目で処理したり、中には、手元の現金として処理する会計事務所もあるでしょう。
これを繰り返すことによって徐々に現金、仮払金、貸付金は成長していきます。

では、このように現金、仮払金、貸付金が肥大化していかないためにはどうしたらいいのでしょうか。
ポイントは次の二つです。
@会社の現金について、ちゃんと出と入りを記録する(会社の家計簿をつける)
A会社の預金から引き出した現金を自分の財布にしまわず、残ったお金はちゃんと会社の銀行口座に戻し、自分自身の生活はあくまでも役員報酬の範囲で支出する
という2点です。
これもまた、「どうして」の部分は分からなくても結構です。
とにかく、結論です。
もし、
@既に銀行などから「現金」「仮払金」「貸付金」が大きすぎる旨の指摘があった。
A改めて決算書をみたところ、なんだか現金、仮払金、貸付金が妙に大きいと気づいた
という場合は、
@会社の現金について、ちゃんと出と入りを記録する(会社の家計簿をつける)・・・現金管理
A会社の預金から引き出した現金を自分の財布にしまわず、残ったお金はちゃんと会社の銀行口座に戻し、自分自身の生活はあくまでも役員報酬の範囲で支出する・・・家計と会計の明確な分離
を実践してみて下さい。
必ず症状は緩和します。

世の金融機関の担当者さんに言いたいのは、
「会社の現金、仮払金、貸付金が大きいのは会計事務所を変えても解決しない」
ということです。

金融機関の方から、現金、仮払金、貸付金が肥大化しているので、檜垣会計で見てもらえないかという問い合わせをいただきます。大変ありがたいことです。しかし、上記のように、現金管理の実施と家計と会計の明確な分離をしない限り、どこの会計事務所でも同じことが起こります。

そして、世の会計事務所職員の方に言いたいのは
「会社さんがちゃんと現金管理をせず、会社のお金も個人のお金もごちゃごちゃにしてしまうのは、ただ、それがまずいことだと知らないからなんだ」
ということです。

よく、「あそこの会社は現金管理ができてない!」と言っている声を聞きます。かくいう私も以前はそういう人間でした。

しかし、多くの経営者の方と会ううちに、何らの悪意もなく、ただ知らなかっただけなんだということに気づきました。
我々会計の専門家にとっては、「現金管理」や「会計と家計の分離」は朝起きたら顔を洗うぐらい自然な行為なのですが、一般の方にはちゃんと説明する必要があるものです。
おそらく多くの経営者が一度分って納得すれば、すぐに行動を変えるのではないでしょうか。

今日の話はちょっと難しかったので、理解できない方もいらっしゃったでしょう。そんなときは、何度も申し上げますが、とにかく結論だけ知ってていただいて実践してみていただけたらと思います。

公認会計士の檜垣孝司です。「会計を通じてマネジメントの最適化を実現する」という志で、日々様々な課題を抱えた社長様と仕事をしています。
皆様は「会計」を使っていますでしょうか。会計というと税務申告のためだけに必要だから、、、何ていう方もおられるのではないかと思います。
しかし、この会計は意外と馬鹿にできません。今日は、会計をどうやって経営に生かすかというお話をしたいと思います。

まず、どうして経営に会計が必要だという発想に至らないのでしょうか。この問題、簡単なようで結構難しい問題です。
よく聞く理由としては、
・難しくてよくわからない。
・過去の結果を知ったところで何か意味がるのか分からない。
・試算表や決算書など会社全体がまとまった数字を見ても問題がどこにあるかわからない。
・とりあえず、支払いさえできていれば会社は回る。
といったものがあります。
そうですよね。これ、すごくわかるんです。何しろ会計士である私自身、以前は同じように思っていましたからね。
しかし、上記の「会計を使わない理由」はある前提条件の上で発生してきているということに気が付きました。
それは、、、

そもそも基準値がない

という前提です。

「そもそも基準値がない」とはどういうことか、それは、よく使われる次の比喩表現からうかがい知ることができます。
つまり、

「会計はスピードメーターのようなものである」

会計は、企業の重要な計器であるから、会計をみないということは、計器類を見ずに車や飛行機を操縦しているようなものだ。だから会計を適時に記帳して、試算表や決算書をちゃんと使いこなせるようになろうというお話です。
しかし、会計を「計器だ」と言ってみたところで、
その計器が
・わかりにくい
・所詮過去の話だ
・全体が総合されていて問題が見えない
・なくても障害物を避けていれば運転できる
という話になっているから議論は平行線をたどるわけですよね。

しかし、もう一度考えましょう。車や飛行機を操縦するときに、なぜ計器類が必要になるのでしょうか。

それは、

安全に操縦するために基準となる速さや高度があるから

だと私は思うのです。
これを企業に置き換えるとこういう表現になります。

つまり、

安全に企業を経営するために基準となる売上・利益や預金・借入金の残高ががあるから

ということです。

そして、さらに「安全に企業を経営する」とはどういうことか、

それは、

経営者のビジョンを確実に達成する

ということだと私は考えています。

要約しましょう。なぜ、企業に会計という計器が必要か、
それは、

確実なビジョン達成のための基準となる財務数値を達成しているかどうかを知るため

に会計は必要だというのです。

このことから実はさらにわかることがあります。
つまり、会計というと貸借対照表や損益計算書といった過去の実績からなる「財務会計」をイメージする人が多いと思うのですが、その財務会計が計器としての役割を果たすためには、過去の数字を扱った財務会計の他に、

・5年後、10年後にはこうなりたいという未来の財務会計
・事業の有効性、効率性を高めるための管理会計
・事業の有効性、効率性を高め、5年後、10年後のビジョンを実現するために必要な行動計画


が必要だということです。

つまり、過去の数字を扱う過去の財務会計は、行動計画によって達成できると考えられた事前の期待がどの程度現実のものとなったかを測定するツールであり、そのような使い方をしてこそ、会計は必要となるのです。
車の運転に例えるならば、この道路は時速60キロメートル制限だとした場合、「この程度アクセルを踏めば、60km/hになるだろう」という事前期待があり、その事前期待がどの程度現実のものとなったかを知るためにスピードメーターを見るわけですよね。

裏側から考えると、もし、この世に、制限時速がなくて好きな速さで走ることができたとしたら、スピードメーターがついていたとしても、別に見ないですよね。飛行機でもどんな速さでも安全に離着陸ができ、どの高度で飛んでも安全に飛行できるなら、計器はあってもなくてもいいですよね。

企業経営には法律やマニュアルでさだめられた「基準値」はありません。だから、時速何キロメートルで走ってもいいし、どんな高さで飛行してもかまわないのです。

そして、そのように「そもそも基準値がない」という前提がある場合、スピードメーターである会計は無意味化するのです。

その結果、はっきりとしたビジョンがない経営者の場合、「別に時速何キロで、どの高さを飛行していようと、墜落さえしなければ、衝突さえしなければ、問題ない」という話になってしまい、「会計なんて税務申告があるからやってるだけだ」という言葉となって発せられるに至っているのです。

しかし、企業経営も車や飛行機などのように、どの速さでもどの高さでも安全に経営ができるわけではありません。ビジョンという正しい方角に向けて、ある程度の速さと高度を保って飛行しないとやがて山に衝突したり、たどりつく前に燃料がなくなったりしてしまいます。

ここには、「ビジョンとお金は車の両輪である
という教訓も含まれています。

以上をもう一度考え直すと、私がよく聞く世の中の一般的なお話しでは、「ちゃんと会計を適時につけて試算表を見ている会社は成果を出す」という論法なのですが、それは論理的には誤っているのではないかと思うのです。論理的ではないから、会計を使えば会社が儲かると聞いても信じられないわけなんです
論理のつながりとしては、ビジョンをしっかり決めた人は、そのビジョン達成のために手段としていくらの利益が必要かを考えざるを得なくなるとともに、それらを実現するための行動計画を考える。その上で、事前の期待がどの程度現実になったかを過去会計で測定し、期待と現実のギャップを認識し、それを埋めるために経営意思決定を改善していくということを繰り返す結果、他の企業よりも多くの利益の残し、豊かな人生を送ることができるといった方がより論理のつながりが明らかなのではないかと思うのです。

私は公認会計士として、企業様の過去の財務会計はもちろん、社長様のお話を聞いて、未来会計も築き、さらに経営の効率を高めるための管理会計の導入支援もしております。
当会計事務所の作成する決算書類はご希望により、他社の中小企業にはないような品質のものをご提供することができます。
ぜひ、皆様のビジョン達成に、会計の価値をもう一度見直してみて下さい。

1.決算書の限界と改善策
●決算書は重要な経営資料です。しかし、実際に決算書を十分に使いこなして経営判断に役立てているケースは以外と少ないものです。
●実は皆様が日ごろ目にしている決算書には大きな欠点があります。そのため、決算書をそのまま使おうとしても、使いづらいだけでなく、ときには判断をミスリードすることさえあります。
●そこで、今回は、そのような欠点を抑え、決算書をフル活用するべく、決算書の生かし方を解説します。

【1】損益計算書の欠点
T.売上高
U.売上原価
  期首製品棚卸高
  当期製品製造原価
   計
  期末製品棚卸高
V.売上総利益
W.販売費及び一般管理費
X.営業利益

上記は一般的な損益計算書です。
まずはこれをご確認いただいた上で、この一般的な損益計算書のどこに欠点があるのかをご覧いただきます。

@損益計算書が判断をミスリードする。
次の事例を見てください。
(前提条件)
・販売単価3,000円
・製造原価:材料費1,000円/個
      加工費2,000,000円/月
・販売費及び一般管理費1,000,000円/月
・生産・販売数量等(1ヶ月あたり)


上記の説例をもとに通常の決算書を作成します。
⇒毎月の売上が変わらないのに営業利益がupます。

⇒なぜ売上が変わらないのに利益が増えるのでしょうか。

●当月に発生した製造加工費の内、40万円を在庫として翌月へ繰越す結果、利益がかさ上げされます。
●このように、一般的な決算書をもとにした業績把握を試みた場合、在庫を積み上げることで固定費を翌月(翌期)へ繰越し、利益をよく見せることができます。
●結果として同じものを同じだけ売っているのに、売上総利益率が変動します。
●実際に計算してみると、1月の売上高総利益率は33%であるのに対し、2月の売上総利益率は40%となっています。

⇒このように、一般的な決算書の損益計算をそのまま管理会計に用いることはできません。

(2)損益計算を改善するにはどうすればよいか。
●一般的な損益計算書の場合、月末在庫に当月発生加工費を負担させて翌月へ繰越すという方法で月間損益を歪めてしまっていました。
●そこで、加工費を月末在庫に負担させるのをやめ、月末在庫に原料費や外注加工費等、当該製品と直接紐づけできる原価だけを負担させ、加工費をすべて当月の費用としてみます。

⇒そうすると先ほどの損益計算書は次のように変化します(これを変動損益計算書といいます)。

@変動損益計算の導入
前提条件は変えないまま、月末在庫に加工費を負担させずに計算します。


A普通の損益計算書と変動損益計算書の対比


B変動損益計算書の特徴
●変動損益計算では、販売量が同じであれば、どんなに在庫を積み上げても利益は変わらない。
●変動損益計算では、「製造原価」か「販売費・一般管理費」かの区分(職能別区分)ではなく、
「変動費」か「固定費」かの区分(原価態様区分)が重視される。

決算書の生かし方のPDF資料はこちら

次回は、変動損益計算書をフル活用して経営に役立てる方法をご紹介します。

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